橋本京明と話した小動物の命

祭りがあり、橋本京明と一緒に祭りに行った。彼女でも誘えばいいだろと揶揄したかったが、共に独り身なのでそんな哀しいことは言えなかった。その祭りにて橋本京明は唐突に、最近ひよこを見なくなったな、と呟いた。自分は彼の言葉が全く理解できずにしばらくの沈黙のあと、屋台でひよこの販売が無くなったという旨の補足を彼が入れてくれた。

確かに見なくなったと自分もそう思いたくなったが、そもそも自分は生まれてから20数年、一度たりともひよこの屋台など見たことがなかった。良くて、カメ掬い。または、ゲーセンのロブスターのクレーンゲーム(中学の奈良修学旅行で)ぐらいだった。ほとんど民俗誌にでも載りそうな古い風習かもしれないが、昔は露店でハツカネズミを売っている所もあったそうだ。

橋本京明は次に、ああいうのは寿命が短いんだ、人の手で触られるとストレスで3日ももたない、と解説を始めた。その話は自分も知っていた。動物園のふれあい広場のハムスターもそうしたストレスで次から次へと交換されているらしい。あと、ハムスターは夜行性なので、昼間働かせるのは酷だと自分は思っている。

ただし、ひよこは見なくなったが、金魚だけは相変わらず大盛況だったりする。哺乳類や鳥類はダメでも、魚類や両生類は昔と変わらずに祭りの看板屋台だったりする。橋本京明の解説は続いて、金魚は飼育しやすいし処分もしやすいからあるんだろ、と実に現実的なことを言ってくれた。正に彼の言葉通りで、愛玩目的のペット含み、どうも人間は他の生き物の命を軽んじている気がすると自分は思う。

商売だからという一言で片付けられてしまうかもしれないが、せめて一度飼った動物は最後まで責任持って飼育したいものだと、自分は固く心に誓った。橋本京明の電子書籍一覧 – hontoのことならこちら

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